科学

バタフライ効果

気象学者ローレンツは、1963年に熱対流の運動を表すモデルとして、ローレンツモデルというのを提唱した。それは3変数の微分方程式であり、解はローレンツアトラクターとして知られている。下図がその軌道である。

L1_6

図を見ると、グルグル回る対流の様子が描けていることを理解してもらえると思う。

この解は渦の部分が蝶の羽に似ていることから、バタフライとも呼ばれている。

さて、そのバタフライに関連してだが、1匹の蝶の羽ばたきが原因で、竜巻が起こることがありえるだろうか?

昨日、非線形性というのは非常に強力で、間違えるとすぐに特異性が表れると述べた。

その特異性が竜巻につながることも考えられないことではないだろうか?

答えは今のところNoである。

蝶の羽ばたき一回程度では、影響が小さすぎる、というのが答えである。

当たり前といえば、当たり前だが、それを厳密に調べていこうとすると、案外難しい。

問題は、蝶の羽ばたきを小さい摂動と考えて、その摂動に対して大気が不安定に振舞うことがあるか、ということである。

大気のコンピュータシミュレーションに基づけば、それは起こらないことになっている。

ただし、それは現在のコンピューターの性能からの結論であり、将来、違った結果が出てくることがあるかもしれない。

それもまた、カオス理論の魅力である。

小さな効果(摂動)が大きな結果をもたらすことを、バタフライ効果という。

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非線形科学

今日は非線形科学のレポートに追われる日。

ここのところ、立て続けにレポートの締め切りが集中しており、忙しい。

Zabusky-Kruskalのシミュレーションをする。

非線形科学というのは、非線形を扱うために、その方程式を厳密に解くことが難しい。

だからシミュレーションを行うのだが、シミュレーションは計算機科学の発展と一体であるため、つい最近からようやく発展し始めた。

非線形科学の難しさは、その近似の仕方にある。

ちょっと間違うと、すぐに発散してしまう例も少なくない。

できあがったシミュレーションを見て、最初は完全に間違ったのかと思った。

いきなり発散が出てきて、とんでもない結果がでたからだ。

しかし、よく見ると、若い時間では有限の変化で波動が現れていた。

何が特異性を生み出すのかを考えるのも、難しい。

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暗黒物質を探せ!その2

今日も暑い一日。

生協の食堂に行くと、見慣れないサラダを発見。

錦糸卵とハム、ワカメ乗せか。

これは冷やし中華の残り具材で作ったに間違いない(笑)。

* * * * *

我々の銀河にも暗黒物質は存在するのか?

今では精巧な観測で、分布状況がかなりわかっているが、それを単純に考えることはできないものか?

実はそれはできて、銀河系内で暗黒物質の分布が球対称である、という結構あらい仮定をする。

そうすると、暗黒物質と通常物質の間の万有引力によるポテンシャルエネルギーが、銀河の回転する運動エネルギーと等しいとおくことで、密度を見積もることができる。

その計算がどのくらい有効であるかは、実験次第だろう。

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謎の暗黒物質を探せ!

先生も京都より帰還。研究室が賑やかだ。

う~ん、それにしても暑い。

先生はすでに半袖半ズボン。

* * * * *

宇宙の観測結果によると、この世界は暗黒物質暗黒エネルギーで満たされている。

もっとも比率が高いのは暗黒エネルギーで、73%。その次が暗黒物質で、23%。

我々を構成している通常の物質は4%しかない。

暗黒エネルギーには手がつけられないので、暗黒物質とは何か、をまず考えてみる。

暗い星?素粒子?

いろいろ候補はあるが、注目されているのにWIMP(Weakly Interacting Massive Particle)というのがある。

カミオカンデなどでは、次世代実験として、この暗黒物質の正体をつかもうと、計画が動き出している。

その観測にはXe(キセノン)を用い、ニュートリノを捕まえたのと同じような原理で、観測を試みる。

O氏もいっていたが、もし、LHC(現在到達できる最高エネルギーの加速器)の実験で何も見つからなかったら、同じような加速器で新粒子を探索することは、もうできないだろう。

なぜなら、加速器のエネルギーは、これ以上は急激に上げることができないからだ。

そうであるなら、希望は宙(そら)しかない。

この実験はXMASS実験と呼ばれているが、成功してほしいものである。

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複素空間と現実世界

現代物理にとって、複素空間は非常に重要だ。

素粒子の繰り込み理論では、いたるところに発散が登場する。複素空間を考えるならば、その発散を複素空間のポール(極)と考えることもできる。

複素解析には、発散を含む関数の積分はポールの値で置き換えられるという、強力な留数定理というのがある。

これは非常に重要な概念で、素粒子論では、プロパゲーターなどの考察によく使う。

電気回路や振動子の解法でも、複素数は使われる。しかし、これは単に計算が楽になる、というテクニカルな意味しかない。

複素空間が重要となるのは、量子力学だ。波動関数は複素数である。量子の振る舞いを決定する波動関数が複素数というのは、いったい何を意味するのか?

現実世界の観測量(確率)を求めるだけの、単なる道具なのか?

我々が量子の振る舞いを本質的に予測できないことから、現実世界から離れた複素空間が、量子の現実に住む世界と考えるべきなのか?

複素空間と現実世界とのつながりは、興味深い。

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企業と環境保護

今日はTAの日。この授業も残すところあと2回。

個人的には非常によい授業だったと思う。様々な企業の方から直接、話を聞けるなんて、めったにないことだ。

去年学科長だったT先生は、「学部生にはもったいない。」 といっていた。

隠れてコネをつくっていた学生もいたみたいだし(笑)。

今日の講師の先生は、日立生産技術研究所・企画室長のO氏。

僕は環境問題の話が印象に残った。

環境への配慮を考えるとき、生産・販売などの動脈側だけでなく、さらに、回収・再利用といった静脈側への循環が必要だ。

そこで日立は温暖化防止ファクター、資源ファクターといった数字の目安を設けて、これを評価している(詳しくは日立のページを御覧下さい)。

しかし、数字だけでなく、実践して環境対策を進めることが何より大事であろう。

愛知万博ではICチップ入りの入場券が採用されたが、あれで普通の切り取り式の入場券に比べて30㌧もの資源が削減できたそうだ。

僕も個人でできることは、なるべくやっていきたいと思う。

授業後、T先生がO氏にうちの学科の宣伝をしていた。日立への就職は、今期がチャンスかもしれない(笑)。

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量子井戸レーザー

量子力学の工学的応用は、ここ50年ほどの間に数多くなされた。

工学、理学、あるいは教養課程でも量子力学を習ったことのある人の大部分は、一度は井戸型ポテンシャルの問題を解いたことがあるだろう。

量子井戸レーザーというのは、それを利用した発振原理を持っている。

階段型の量子井戸を向かい合わせるように縦に並べる。

量子力学によれば、この量子井戸はとびとびの準位を持つ。なので、ある条件を満たせば、上の井戸から下の井戸への遷移が起こる。

フェルミエネルギーギャップよりも大きくなくてはいけない、という条件を満たせばよいのだが、この条件は、ベルナール-デュラフールの条件と呼ばれている。

遷移が起これば、光を放出するので、それを増幅させればレーザーとなる。

単純だが、これが量子井戸レーザーの発振原理だ。

レーザー自体は自然界に存在する物質でも当然発振できるわけで、ヘリウム・ネオンレーザーなどが有名である。

違いは、利用する準位が自然の原子のものか、半導体で造った量子井戸のものか、ということだけである。

量子井戸は少ないキャリア注入で、効率よくフェルミエネルギーを押し上げることができるので、ベルナール-デュラフールの条件を満たしやすい。

この量子井戸レーザーは様々な用途(主に工業)に利用されている。

* * * * *

用語解説

井戸型ポテンシャル…井戸型の形をしたポテンシャル。量子をこの中に放り込んで、シュレーディンガー方程式を解くと、離散したエネルギー準位が現れる。古典的にはエネルギーはどんな値でもとれるが、量子系では、とれる値が限られる。これは量子効果の一例である。

フェルミエネルギー…フェルミ粒子(半整数スピンを持つ)の化学ポテンシャルのこと。直感的には、個々の粒子が持つ固有のエネルギー。

ギャップ…ここでは上の井戸と下の井戸とのエネルギー差。

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冷凍機屋

今日はTAの日。講師は前回と同じく住友重機械のS氏。

冷凍機についてのお話を伺う。

物理(あるいは熱力学)を知っている人であれば、一度は必ず耳にするのが、カルノーサイクルと呼ばれる熱サイクルである。

注射器のようなピストンと容器の系を考えてみよう。以下の操作をしてみる。

1.容器を等温に保ちながらピストンを引く、つまり体積を増やすと、熱を吸収する。

2.その後、断熱にして、ほかっとくと温度が下がる。このとき、体積は増える。

3.そのまま等温にしといてピストンを押すと、今度は熱を放出する。

4.そしてまた断熱にしとくと、系は最初の温度、体積となり、もとに戻る。

このような一周過程をカルノーサイクルという。

これは熱力学的には理想的なサイクルと考えられ、熱を扱う職業の人たちにとってはお手本となる。この過程では、高熱源から熱を吸収し、低熱源に放出する。

このサイクルを逆にする(つまり4→3→2→1)ことで、冷凍サイクルを考えることができる。

この場合、低熱源から熱を吸収し、高熱源に放出するから、低熱源はどんどん冷える。

冷凍機屋はこのときの効率(つまり、何%の熱が仕事に変わったか)を常に参考にして、クーラーなり、冷蔵庫なり、冷凍機を作るのだ。

しかし、カルノーサイクルはあくまで理想的な過程であって、現実には実現不可能である。

よって、効率を上げるために、様々な努力を企業側は行っている。

クーラーなどはここ10年で消費電力が約2分の1になったという。これも冷凍機屋の効率(=地球にやさしい)精神の賜物なのである。

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HD DVD vs Blu-ray Disc

今日は朝8時起床。最近は夜が完全に白夜化している。

寝ようと思って布団に入ると、もうすでに外は明るくなりかけており、眠りに落ちる頃には日は昇っている。

睡眠時間は3~4時間ほどか。う~ん、早く改善しないと生活習慣病になっちゃうな…

* * * * *

HD DVDとBlu-ray Discの開発競争が激化している。

Blu-rayもHD DVDも記憶(読み取り)原理は同じ。

波長の短いレーザー(青)を用いることで、より多くの情報を読み取ることができる。つまり、光のエネルギー密度が高いと、それだけ有利、ということだ。

ソニーなどはすでにBlu-ray Disc搭載のレコーダーを発売しており、現況ではBlu-ray一歩リードといったところ。

Blu-ray開発には参加企業も多い。シャープやソニー、松下、日立、サムスン…。

HD DVDには東芝やNECが参加しているが、市場の9割ほどがBlu-ray陣営であり、劣勢の感は否めない。

Blu-rayもHD DVDも容量は現行DVDの5倍ほどであり、容量の点では遜色ない。

なぜ、劣勢なんだろう?

HD DVDはBlu-rayと比べて現行DVDとの互換性がよく使い勝手がいいというメリットもある。

これからの奮起に期待しよう。

* * * * *

ところで、Blu-rayってなんでBlue-rayじゃないの?と疑問に思った方、いませんか?

それはアメリカではBlue-rayでは一般名詞になってしまって商標がとれない、という困難があるからです。

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低温技術・超伝導編

今日はTAの日で講師は住友重機械のS氏。

今回の講師の先生は準備がとてもよく、パソコンやレーザーポインタを持参してくれた。大変ありがたい。

低温技術についての概論を聞かせていただく。

低温技術が現在重要なのは、やはり超伝導工学の新展が目覚しいからであろう。超伝導自体は1911年に発見されたのだが、その応用への道のりは非常に長かった。

それは半導体やトランジスタの応用と比べても明らかであろう。発見はそれより早いのに、いまだに目立った応用はなされていない。

何が難しいのか?

それは一例として、転移温度がまだまだ低いことが挙げられる。

リニアモーターカーなどは線路の内部に液体ヘリウムを溜め込むから、その状況(極低温)を長時間(というか半永久的に)保つのは難しいだろう。

S氏は21世紀は超伝導応用の世紀になるというが、果たして…

* * * * *

用語解説

超伝導…ある温度で電気抵抗がゼロになる現象。超伝導はこれに加えて、磁力線が内部に侵入しない、というマイスナー効果も示す。

半導体…導体(電気を通す)と絶縁体(電気を通さない)の中間の性質を持つ物質。

トランジスタ…信号(電気の流れ)をコントロールできる半導体素子。

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竹内先生、朝カル最終講義(寄稿)

先週、竹内先生が朝カルでの最終講義を行った。歴代の生徒さんはみな駆けつけたようだが、僕はゼミと仕事とその他の雑用の波に呑まれ、アップアップで参加できず。残念!

欠席の代わりといっては何だが、ここに朝カルと竹内先生との思い出話を記し、寄稿したいと思う。

この朝カルとの出会いは、実は今年に入ってからのことである。そしてその場での先生や生徒さんとの出会いは非常に貴重なものであった。

普通科学の話というのは、あまり好まれるものではない。難しい、という常識も手伝ってか、特に酒の席ではご法度である(これは僕自身の経験の話)。

人によっては単なるうん蓄や自慢話に聞こえてしまうことも少なくない。それは非理系人には単調な知識の羅列にしか聞こえないからであろう。だが、竹内先生は違った。先生の科学や仕事の話は、華やかな飾りつけもなく、ひどく誇張(自慢)するようなものでもなく、ストレートに、かつ穏やかに、頭に心に、入ってきた。

そんな先生の講義に、生徒さんも質問や意見を投げかけ、科学に対しての熱意というか、とにかく、大学とは違ったその講義の雰囲気に驚かされた。

その場にいながら、僕は小学生の頃の授業の雰囲気を思い出していた。羞恥心など微塵も感じさせず、思ったことが素直に言えたあの頃―。

時とともに、周囲との協調ばかりを気にしすぎて、自分の意見(意思)をはっきりさせる、という姿勢を失っていた。

自分の科学に対する姿勢ももっと見直さねばならない、と感じ、学んだ。

先生の授業には本当に感謝している。あの授業がなかったら、僕は自分の科学感、とでも言うべきIdentityを失っていただろう。

先生の科学に対する想いが受け入れられているのは、その著書(99.9%は仮説、等)がベストセラーとなっていることからも明らかだ。

竹内先生が見て下さっているかどうかはわからないが、一言―。

「先生、長い間、本当にお疲れ様でした。」

先生は講義や講演だけでなく、多方面で仕事をなさっていることもあり、今後のますますの活躍が楽しみだ!

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プランク定数精密測定

今日はTAの日。

授業が2時限連続してあったのだが、後半、別の授業で教室を使うことが発覚!

急いで、教室を変更してもらい、プロジェクター等、設定し直す。

Fさんは温和な方で、たいへんに協力してくれた。こちらの不手際なのに本当に感謝。

内容はプランク定数測定の話。

プランク定数は量子力学における最も重要な定数であるが、今や時空の性質にも根本的に関わる定数である(弦理論によると)ため、その精密測定は非常に重要だ。

産総研ではこの測定をシリコンを使うことで行っている(やたらとシリコンが好きらしい…)。

レーザーを照射させることで、その波長からシリコンの構造が精密に測定できる。そこからアボガドロ定数を導き、それをプランク定数に換算するのだ。

プランク定数の測定には主に2つの方法がある。一つはジョセフソン効果と量子ホール効果を利用する方法(ジョセフソン効果と量子ホール効果の説明は後日)。もう一つは産総研みたくシリコンを使う方法である。

この二つの測定法は測定原理が異なり、それぞれの測定法の誤差を見積もってもプランク定数の小数点以下5桁目が1~2ほど違う。

この差はどこからくるのか?実はそれはまだわかっていない。現在指摘されているのは量子ホール効果やジョセフソン効果の理論が完全ではないのであろうか、ということと、シリコンを使った測定に多大な誤差があり、それが違いを生んでいるのではなかろうか、ということである。

もし、この差が量子ホール効果やジョセフソン効果の理論の不完全性を示すものであるなら、ノーベル賞級の発見になることは間違いないであろう。

って、かなり大げさだけど(笑)。

* * * * *

用語解説

プランク定数…量子効果の度合いを表す定数。この定数=0の極限で量子力学は古典力学に移行する。また、この定数を用いて時空構造に関する、プランクの長さ、を導くことができる。それより小さい領域では時空の概念そのものが失われてしまうと考えられている。

シリコン…元素番号14の元素であり、Siと書く。ケイ素とも呼ばれ、地球に最も多く含まれる元素の一つといわれている。安定な結晶構造を持ち、基礎物理定数の測定によく用いられる。

アボガドロ定数…1molの原子の集まりに含まれる原子数。

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実在論と実証論

科学にはその解釈の問題が常に付きまとう。

例えば、クーロン力などは近接作用なのか、遠隔作用なのか、電磁気学の創設当時は議論ははっきりしていなかった(現在では近接作用であるというのが定説)。

これはその当時の人々からすれば、どちらの解釈でもよかったのだろう。つまり、遠くのものに空間を隔てて直接力を伝えると考えても、何かが空間を伝わって、その何かが力を伝えると考えても、どちらでも物理現象は数値の面ではうまく記述できた。

しかし、現代は違う。もし、電磁気力が遠くの物に直接働くと考えると、電磁波の存在が否定されてしまう。つまり、何か空間を伝わる物理量があると考えないと我々が使う携帯は何の原理で話ができるのか、説明できない。

その一方、電磁場を導入すれば、すべての電磁気現象を記述できる。このことは、電磁場を介して力が伝わるとする近接作用が正しいのではないか、と思わせるには十分だ。実在論からも実証論からも、それは存在するものとして認知されている。

では、その電磁場とは何なのか?我々はそれが眼に見えてどんな構造をしているかわかるのか?

答えはノーだ。

僕らは知らず知らずのうちに実証論の一端で現象を片付けてしまっているのかもしれない。僕らが街を歩いていて、飛んでる電磁波に気にも留めなければ、そんなの存在しない!という主張さえ、可能なのかもしれないのだ。

では平行宇宙はどうだろう?それは実在しているのか?我々はそれに気がつかないだけなのか?または、実証論でその存在は説明できるのか?

こう考えられる。平行宇宙(Dブレーン)は存在している(実在している)が、我々はそれを電磁場のように検出する技術を持ち合わせていない。だから、今はまだ、観測にかからないだけだ。

また、実在はしていない。我々はそれを認識できないし、実証もできない。

という説も現時点では最もらしい。だが、もっと未来の世界ではわからない。そして未来が永遠に続くなら、永久に是非の判定は不可能となる。

堂々巡りだ。

実在論と実証論、そして哲学。これらが示すのは、いかに人間の思考が能率悪いか、ということだけなのかもしれない。

* * * * *

用語解説

クーロン力…電気の力

実在論…観測にかからなくとも、そこに単独で存在するものがある!という考え方。

実証論…何かで実証(検出)されないと、その存在は認めない!という考え方。

Dブレーン…高次元空間の膜。

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基礎物理定数

今日はTAの日。

講師の先生は産業技術総合研究所、計算標準総合センターのF氏。産業技術総合研究所は筑波にあり、高エネルギー研究所からもわりと近い距離にある。

授業前、先生とF氏がニュートリノ観測の話をしていた。

10年くらい前、産業技術総合研究所でシリコンをつかったニュートリノ観測の研究がされていたらしい。

先生は自分の計算したモデルの観測の話をしていた。

* * * * *

物理の基本単位の測定法やSI単位系についてのお話を聞く。

驚いたのが、いまだにキログラム原器という測定器が使用されていること。

メートル原器と呼ばれる距離の測定器も昔はあったみたいだが、現在は光の速度を基準にして距離を定義するため、使用されなくなった。

これは光がユークリッド空間で不変定数であるからこその結論である。

メートル原器で重さを測る(つまり分銅で測る)というのは、今の時代から考えるとどうしても精度に問題があるように思えてしまう。重力というのはそれだけやっかいな存在ということなのだろう。

それにしても、単位を正確に測る職業があるとは思わなかった(笑)。進路選択の一つに加えてもいいかもしれないな~。

* * * * *

用語解説

ニュートリノ…素粒子の一種。非常に軽く、物質との相互作用が極めて小さいため、観測が非常に困難。

ユークリッド空間…平坦な(曲がっていない)空間。相対論では光の速度は一定だが、空間の曲がりが激しいと、重力で光速も変わる可能性がある。

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科学と仕事と

今日は仕事が忙しい。朝一の授業が終わったあと、午前中から図書館にこもる。ガリレオの人生に一喜一憂する。

気がついたら午後三時(汗)。

薬膳カレー(生協メニュー)を食べて研究室に戻りゼミの予習。

ゼミ後、TAのレポート採点が待ち受ける。

ふぅー。

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世界一の素材屋

今日は学部授業のTAで忙しい一日。

今回は東レの取締役研究本部長のA氏が講義にこられた。

付き添いの助手?の社員の方が一生懸命にPC接続を手伝ってくれた。民主党の岡田元代表に顔や雰囲気が似ていたのが印象的だった(笑)

講義塔に向かう道中、世間話をする。東レは世界一の繊維企業だと胸を張っていっておられた。航空機に使われるものはほぼ100%東レ製品だそうだ。

この前のソニーの方もプレステ2開発秘話をかなり誇張して話しておられた。それぞれの会社が世界一の自負を持って研究開発をしているんだな~と関心してしまった。

僕はもっぱら助手の社員の方と話をしていて、A氏と話す機会はほとんどなかった。取締役ともなるとさすがにオーラが違う。助手の方があちこち駆け回っているのに、A氏は椅子に座り、ゆったりとしている。

授業は2時限にわたる予定だったが、早く終わったようで、片付けにいったら誰もいなかった。

A氏にはもっとちゃんと挨拶しておくべきだったかな。残念。

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最速降下線

場の理論ゼミは第2量子化、対称性を経て相互作用の理論に突入。

崩壊率の計算をひたすら追って行く。相互作用があるとかなりやっかいだ。なんといっても積分がややこしい。

ゼミ終了後、π中間子の崩壊率を計算する課題が与えられた。

昨日、コマネチ大学を見ていたら、最後に最速降下線の話が出てきた。物理にもからんでくる話なので、このあたりについていくらか補足をしたいと思う。

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重力のもとで、なめらかな曲線をつたって物が落ちるときに、どの経路が最も最短時間で降りてこられるのか、という問題を最速降下線の問題といいます。

コマネチ大の解説でも出ていましたが、その軌跡はサイクロイドとなります。

この問題が解析されたのは17世紀頃のことで、最初に答えを導いたのはヨハン・ベルヌーイというスイスの数学者でした。

一説によるとライプニッツやニュートンなども答えを導いた、といわれています。

さて、どのように最速降下線を決めるかですが、落下時間が最小となるような経路を決めればよいわけです。

その方法を変分法と呼びます。これは何かを最小にしたいときにその条件を与えてくれる便利な方法なのです。

物理学でもしばしば使われ、量子力学の定式化にも用いられました。物理学的な運動を決定する作用という物理量があるのですが、そこから運動方程式を決定するのに変分法は大変重要な役割を果たしているのです。

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カプセル内視鏡

T先生が火曜日のニュースでカプセル内視鏡の紹介をしていた。

内視鏡もここまで進化したか~!

従来は管つきカメラを口から飲み込む辛さがあったが、これならほとんど何も感じることなく検査ができそうだ。病巣発見率も90%というから性能は従来のものと比べても遜色ないだろう。

しかし、先生、一つ質問があります。

カプセル内視鏡、排泄物から取り出すんですよね?

まさか他人がしてくれるわけないから、自分でやるんですよね?

取り出すとき、結構勇気が必要なような…

大量に出ちゃったときや、中に埋もれているときは大変です…

って、口から通す管の気持ち悪さよりは絶対ましですよね!!うんうん、きっとそうだ。

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先日対称性の話をしたので、その対称性が破れるとはどういうことか、について今日はちょっと高度な例を挙げて説明しようと思う。

ただし、上級者向けなので、わからない方は「そうなのか~」程度の理解になってしまうと思いますが、御勘弁下さい。

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自然界にはC(電荷の入れ替え 注:正しくは荷電共役変換)、P(空間反転)、T(時間反転)の対称性があると考えられています。CPT対称性は反応の前後で符号が変わらないことを意味します(かなり曖昧な表現ですが…)。

このCPT対称性は現在、実験的にもなりたっていると考えられていますが、CP対称性については成り立っていないことが判明しました。中性K中間子の崩壊過程でわずかですが見つかったのです。

中性K中間子はπ中間子に崩壊します。CPをK中間子に作用させた状態は

CP|K>=-|K>

と書けます。|K>は中性K中間子の状態を表します。これはCPという操作をすると状態にマイナスがつくという意味です。

π中間子については

CP|π>=-|π>

と書けます。CP保存則が成り立つならば、この符号は崩壊前と崩壊後で一緒にならなければいけません。中性K中間子が2個のπ中間子に崩壊するなら、マイナス×2でプラスになりますから、符号は崩壊前後で違ってきてしまいます。これは保存則を破るので、理論上では許されない反応ということになるのです。

3個ならどうでしょう?今度はマイナス×3でマイナスですから、符号は保存しています。よって、この反応は理論側からはGO!サイン(OK)がでることになります。

しかし、神様は無情にも我々の考えを打ち砕きました。1964年、実験でわずかではありますが、2個や4個といった偶数個に崩壊するのが観測されたのです。理論家も実験家もそれまではCP保存則は成り立っている、と考えていました。

ということは…理論が間違っていた、ということになります。CP保存則は自然界には存在しなかったのです。よって、こういう場合、保存則が成り立っていないことがわかったので、それを対称性が破れている、と僕らは表現するのです。

注:ここで挙げた説明はかなり噛み砕いていますので、厳密ではありません。ご了承下さい。

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英語の教科書

理論系は専門書を読みこなすのが、仕事の一つであるといってよい。

しかし、大量の文(文字)を目の前にするとどうしてもやる気が萎える。。。

特に外国の教科書は、説明部分がくどい、と思うほど多い。

日本式の教科書に慣れすぎてしまったせいか、数式と文のバランスがとれているほうが僕は好きだ。

バランスとはいっても実際はかなり微妙(判断できない)なんだけどね(笑)

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明日の非線形科学の宿題をせっせと終わらせる。今回のテーマは共鳴だ。

共鳴とはある条件が重なると、そのときだけ劇的に現象が変化することをいう(かなりおおざっぱだが…)。

共鳴といえば、タコマ橋の崩壊が有名である。車も通れるような大きな橋が風によって揺らされ、崩壊してしまった。これは橋の固有振動数が風による揺れとシンクロしたことで、共鳴が起こったからである。

こういう現象は地震などでも起こりうるかもしれない。地震の揺れと建物の固有振動がシンクロするようなことになれば、当然、建物崩壊!といった現象が起こりうるだろう。

現在ではそのようなことが起こらないよう、注意して設計されているが、共鳴はまさに自然の驚異である。

課題にgnuplotで描いたグラフを添えて終了。共鳴の起こる場所(ピーク)が一目でわかるよう、工夫してみた。

参考までに、グラフを添付しておきます。興味のある方はダウンロードしてみてください↓(PDFファイルです)

「Resonance.pdf」をダウンロード

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風邪

先週ひいた風邪が長引いてどうも調子がいまひとつ。

先週は研究室内で風邪をひいた人が少なくとも3人はいたし、大家さんも風邪でダウンしてた。

この時期の風邪には要注意。

-----科学の話題-----

今日は時間、空間、角度の対称性の話。

物理学では対称性と保存則というのは密接に関係し合っています。

そして考えている系において、これらの対称性が成り立っていれば、必ず保存則が生まれます。

時間対称性→エネルギー保存則

空間対称性→運動量保存則

角度対称性→角運動量保存則

これを直感的に理解するには鏡を想像するとよいでしょう。鏡に映っている自分や景色はもとのものとまったく同じに見えるはずです。

ボールを手にして鏡に映ると、鏡の中でもボールをもった自分が現れます(あたりまえですが…)。

ここで質問です。ボールをもっているのに鏡の中の自分がボールをもっていなかった、という状況は起こりうるでしょうか?

答えはもちろんNo(光を反射する本来の鏡の意味で)ですが、物理学の世界では実はしばしば起こりえます。

これは一体どういうことなのでしょう?続きはまた今度にします。

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夢見る科学

今日は久しぶりに夢を見た。

夢については様々な説が飛び交っており、人によってその感じ方が全然違う。

・・・

僕は熱帯の国に旅行に出かけていた。非常に楽しい旅行だった。(何が楽しかったかといわれると、覚えていない…)

一度目が覚めて、もう一度寝た。

また熱帯の国に旅行に行くことなった。

今度はなにやらコースが用意されており、3万、6万、12万円の3つのコースがあった(たしか)。自分は6万円のコースにしたのだが、なぜか当日の集合時に12万円のコースについていってしまった。

そのコースにはアジア系美女が付き添いで部屋にまでついてきた。フカフカのベットが視界の脇に映る。倒れこもうとした瞬間

・・・

目が覚めた。

あ~ぁ。

美女が夢に出てくるとき、いつも肝心なところの一歩手前で目が覚める。

何故だろう…

この経験で一つの発見をした。それは夢の中でも思考は働くということだ。僕は夢の中でどのコースにするかで非常に悩んでいた。それも普段と変わらないほどの“精度”で。

夢の中で壁をすり抜けたり、光速で移動できたりする人がいるらしい。

どうやら夢には未知なることがまだまだ山積しているようだ。

夢の中で何ができるか、夢の科学を試みてみたい。

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さてさてここからは今日の科学。今日は霧箱についてです。

霧箱とは素粒子を検出する検出器の一つです。箱にアルコールを入れてドライアイスなんかで冷やします。するとその蒸気が箱中に充満します。

そこを素粒子が通ると飛行機雲ができるみたいに軌跡が残るのです。

電磁場をかけておけば帯電した粒子は軌道が曲がり、変化するので、その軌跡の変化から粒子の区別ができます。これが霧箱の原理です。

昔は(今もかな?)気球にこれを乗せて大気の薄いところで実験をしたそうです。

気球よ、僕らの夢を空高く運んでおくれ!

どこまでも、どこまでも…

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