書籍・雑誌

書談:闘う物理学者!

Fight_01_2 闘う物理学者!

著者:竹内薫

発行:日本実業出版社

定価:1600円(税別)

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竹内先生のミニ講義が元になった、物理初学者向けの入門本。

ファインマン、ガリレロ、アインシュタイン、ランダウ、湯川秀樹など、名だたる物理学者たちの素顔、人物像に迫った内容で、物理学者にまつわる数々のエピソードを収録。

物理学の発展に多大な貢献をした、大御所と呼ばれる学者たちの、栄光と苦悩の道のりが鮮明に描かれている。

物理学そのものを学ぶ、というよりは、人物やその人生に重点を置いた内容となっているので、物理初学者の方はもちろん、ある程度知識がある方でも、十分に楽しめる。

難しい物理の知識は一切必要なく、肩肘はらずに、リラックスして読める本である。

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個人的なことを言えば、僕はこの本の内容チェックを担当させていただいた。

読者の方を配慮して、曖昧な表現や、補足が必要と思われる箇所などを提案させていただいた。

一見、多めの分量に見えるが、見た目より読みやすく、さらさらっと読める。

今まで物理(理系)に縁のなかった文系の方には、オススメである。

また、理系の方にも、新しい発見、興奮がきっとあるはず(自分がそうだった)。

一度、書店で手にとってみて下さい。

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書談:はじめての数式処理ソフト

Maxima_01_1はじめての数式処理ソフト

著者:竹内薫

発行:講談社(ブルーバックス)

価格:1260円

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数式処理ソフトの入門書。フリーでダウンロードできるMaximaを用いて、基礎から応用まで幅広く数式処理が学べる。

簡単な数値計算や数式処理から始まり、後半ではツイスター、カラビヤウ図形、ボームの量子ポテンシャルなど、最新の話題を含む、高度な内容も収録している。

ダウンロードからコマンド入力、プログラム作成と、段階を踏んで無理なく数式処理の処理の基礎が学べるので、初心者には最適の入門書だといえる。

8章のボームポテンシャルは少々注意が必要。プログラムの結果が実行され、グラフが描画されるまで時間がかかる。コンピューターの性能にもよるが、一般的なノートパソコンだと10~20分くらいかかるかもしれない。

Mathematicaは個人で買うと非常に高価だが、このソフトは、Mathematicaとほぼ同じ機能を備えながら、フリーであるので、個人的にはお勧め。

さらなる欲を言えば、学生はレポート提出が仕事(?)でもあるので、Maximaで描いた図やプログラムを文章(Ward、TEXなどで作成)に貼り付けたり、イメージとして保存したりする方法を載せておいてもよかったかもしれない。(あくまで学生向けという視点から)

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書談:鏡の中の物理学

D1anvdmxmfe431ykq8pucc3z鏡の中の物理学

著者:朝永振一郎

発行:講談社学術文庫

定価:588円

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ノーベル物理学賞に輝く朝永先生の、素粒子の世界を中心とした物理学の一般向け解説本。

3章構成からなり、それぞれ独特の観点から、素粒子物理学の奇妙な世界を分かり易く解説している。

1章は物理学における鏡の話で、鏡で物理学を映すとどうなるか、ということについて説明しており、『神様はぎっちょであるか』やバッティングマシンの話など、朝永節も随所に見られ、非常におもしろい。

2章は素粒子の特徴についての説明である。同一粒子を電光掲示板のポチポチに例えるあたりは、直観的にうまい説明であり、思わず唸ってしまう。また、素粒子は非常に小さい粒子なのだが、その点が強調されるように質量やエネルギーなどを、小数点以下まで省略せずに、丁寧に書き出している。

3章は光子の量子力学的振る舞いを見事に説明した、ノンフィクション物語、光子の裁判。被告人である光子の行動が、現場検証から徐々に明らかにされ、量子の本質が物語を通して、描き出される。

最後に明かされる検察官の以外な正体とは?そして光子の運命は?

物理学入門にふさわしい、非常に秀逸な一作。

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続・サイエンス夜話

髪を切りに久しぶりに駅前まで出た。最近、勉強が忙しく、なかなか街まで出て遊べる機会がないので、ちょっぴり懐かしく感じる。

本屋に立ち寄る。おお、あるではないか、サイエンス夜話!ちゃんと本屋に並んでたよ。よかった。

でもねー、店員さん、いいですか。これ理系の専門書コーナーじゃないですか。日本でいちばんやさしい科学入門書って書いてあるでしょう。それをこんな理系色の濃い場所に置いてもらってもなー。

文系のコーナーで売るから価値のある本だと僕は思うんだけど。これじゃ、文系の人には一人も目に留まりません。

僕は出版物に関しては内容はもちろんだか、そのセールス方法でも大きく売れ行きが違ってくると思っている。あきばではメイドが本の売り子となってアピールをしている店もある。

茂木健一郎氏の本は新刊コーナーで堂々と売られていた。せめて、その隣にはおいてほしいなぁ。

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書談:サイエンス夜話

竹内薫、原田章夫共著(ソフトバンク・クリエイティブ出版)による一般科学書:

『サイエンス夜話 不思議な科学の世界を語り明かす』

が発売された。科学書とはいっても非常に噛み砕いた内容で、数多くの不思議な科学現象を丁寧に対話形式で解説している。途中途中で理解を助ける絵図も挿入されており、非常にわかり易い。科学の入門書としてはかなりお勧めの一冊である。

微力ながら、科学的事実のチェックは僕が担当させていただいた。理論的に書きすぎだと思われる部分や注意書きが必要と思われる所など、読者の方を考えていくつか訂正を提案させていただいた。

内容は申し分ないものなので(288ページとボリュームも十分!)、是非是非、御覧になっていただきたいと思う。

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今日はほぼ一日、S行列の計算。やはり先日予想した通り、フェルミ系では破壊的な計算量となってしまった。大体、場の量子論から直接S行列を計算するなんて、ナンセンスなんだよな~。後でファインマンダイアグラムで計算する時にどれだけ楽になるかを比較するため、らしいが、とにかく大変。クロネッカーのδが64個も出てきた。もう笑うしかない。

昔、ファインマンは自身が開発したダイアグラムで他の研究者が半年かかった計算を一晩で片付けてしまったそうだ。彼のダイアグラムは時間順序積が自動的に組み込まれていて、それらを一つの図で表してしまう。時間順序積は考える時間の数が多くなるほど、たくさん出てくるので、数えるのが大変だ。それが彼の計算法なら一発で片付いてしまう。なんてエレガントな計算法だ。

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用語解説

S行列…散乱過程における相互作用を表す物理的な量。これが求まれば、粒子の崩壊率や散乱確率など、様々な物理量が計算できる。

ファインマンダイアグラム…散乱や崩壊、粒子同士の相互作用を図形で表したもの。その形(図形の頂点や線)に物理量を割り当てることにより、図形のパターンから容易に上記のS行列が求められる。

クロネッカーのδ…1か0を表す記号。δij などと書く。i=jなら1でi≠jなら0である。

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