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2007年8月

夏の学校@木島平

久しぶりに院生全員が顔をそろえた。

W君は夏の学校に行っていたので、土産とともに話を聞かせてもらう。

毎晩、飲んでいたそうだ(笑)。

最近の夏の学校は、規模が非常に大きくなって、ホテル一つを貸切状態にしてしまうそうだ。

その人数、200人。すごいね~。学校の一学年に相当するよ。

人数が多くなって盛り上がるのはいいが、大人数だと当然、トラブルも起こる。

去年はセクハラがあって、ちょっとした事件になったらしい。そのために、今年は、セクハラ防止の委員会やら何やらできたそうだ。

この業界含め、理系は女性がほとんどいないからね~、気持ちは分からんではないが、セクハラはまずいだろう。

先生曰く、

「おいおいおいおい、大丈夫か~。昔はそんなんじゃなかったぞ。質が下がったもんだな~」

長野県の話になって、O氏と先生が野沢温泉の駅と位置について白熱した議論を展開。

その後、GoogleMapで先生の勘違いが発覚(笑)。

しかし、GoogleMapってすごいもんだ。航空写真で家まで見れちゃうとは。

先生は自分の家が見えるといっていたので、早速試してみるが…

解像度の限界で見れず!

う~ん、くやしいような、ほっとするような変な気分。

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バタフライ効果

気象学者ローレンツは、1963年に熱対流の運動を表すモデルとして、ローレンツモデルというのを提唱した。それは3変数の微分方程式であり、解はローレンツアトラクターとして知られている。下図がその軌道である。

L1_6

図を見ると、グルグル回る対流の様子が描けていることを理解してもらえると思う。

この解は渦の部分が蝶の羽に似ていることから、バタフライとも呼ばれている。

さて、そのバタフライに関連してだが、1匹の蝶の羽ばたきが原因で、竜巻が起こることがありえるだろうか?

昨日、非線形性というのは非常に強力で、間違えるとすぐに特異性が表れると述べた。

その特異性が竜巻につながることも考えられないことではないだろうか?

答えは今のところNoである。

蝶の羽ばたき一回程度では、影響が小さすぎる、というのが答えである。

当たり前といえば、当たり前だが、それを厳密に調べていこうとすると、案外難しい。

問題は、蝶の羽ばたきを小さい摂動と考えて、その摂動に対して大気が不安定に振舞うことがあるか、ということである。

大気のコンピュータシミュレーションに基づけば、それは起こらないことになっている。

ただし、それは現在のコンピューターの性能からの結論であり、将来、違った結果が出てくることがあるかもしれない。

それもまた、カオス理論の魅力である。

小さな効果(摂動)が大きな結果をもたらすことを、バタフライ効果という。

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非線形科学

今日は非線形科学のレポートに追われる日。

ここのところ、立て続けにレポートの締め切りが集中しており、忙しい。

Zabusky-Kruskalのシミュレーションをする。

非線形科学というのは、非線形を扱うために、その方程式を厳密に解くことが難しい。

だからシミュレーションを行うのだが、シミュレーションは計算機科学の発展と一体であるため、つい最近からようやく発展し始めた。

非線形科学の難しさは、その近似の仕方にある。

ちょっと間違うと、すぐに発散してしまう例も少なくない。

できあがったシミュレーションを見て、最初は完全に間違ったのかと思った。

いきなり発散が出てきて、とんでもない結果がでたからだ。

しかし、よく見ると、若い時間では有限の変化で波動が現れていた。

何が特異性を生み出すのかを考えるのも、難しい。

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暗黒物質を探せ!その2

今日も暑い一日。

生協の食堂に行くと、見慣れないサラダを発見。

錦糸卵とハム、ワカメ乗せか。

これは冷やし中華の残り具材で作ったに間違いない(笑)。

* * * * *

我々の銀河にも暗黒物質は存在するのか?

今では精巧な観測で、分布状況がかなりわかっているが、それを単純に考えることはできないものか?

実はそれはできて、銀河系内で暗黒物質の分布が球対称である、という結構あらい仮定をする。

そうすると、暗黒物質と通常物質の間の万有引力によるポテンシャルエネルギーが、銀河の回転する運動エネルギーと等しいとおくことで、密度を見積もることができる。

その計算がどのくらい有効であるかは、実験次第だろう。

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謎の暗黒物質を探せ!

先生も京都より帰還。研究室が賑やかだ。

う~ん、それにしても暑い。

先生はすでに半袖半ズボン。

* * * * *

宇宙の観測結果によると、この世界は暗黒物質暗黒エネルギーで満たされている。

もっとも比率が高いのは暗黒エネルギーで、73%。その次が暗黒物質で、23%。

我々を構成している通常の物質は4%しかない。

暗黒エネルギーには手がつけられないので、暗黒物質とは何か、をまず考えてみる。

暗い星?素粒子?

いろいろ候補はあるが、注目されているのにWIMP(Weakly Interacting Massive Particle)というのがある。

カミオカンデなどでは、次世代実験として、この暗黒物質の正体をつかもうと、計画が動き出している。

その観測にはXe(キセノン)を用い、ニュートリノを捕まえたのと同じような原理で、観測を試みる。

O氏もいっていたが、もし、LHC(現在到達できる最高エネルギーの加速器)の実験で何も見つからなかったら、同じような加速器で新粒子を探索することは、もうできないだろう。

なぜなら、加速器のエネルギーは、これ以上は急激に上げることができないからだ。

そうであるなら、希望は宙(そら)しかない。

この実験はXMASS実験と呼ばれているが、成功してほしいものである。

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素粒子界

研究室にO氏が来訪している。O氏はかつて研究室に在籍していたこともあり、毎年、この時期にやってくる。

そのO氏から、現在の素粒子界の話を聞かせていただく。

素粒子界は非常に厳しい。研究だけで食べていこうとすると、研究業績を重視する大学・研究所に就職するしかないが、そのようなポストは空きがほとんどない。

運良く空いたとしても、一つのポストに何十人ものOD(オーバードクター)やドクター取得予定の学生が群がるため、その競争率ははかり知れない。

研究だけを専門としない就職口もある。情報処理や工業関係の授業をしながら、研究を続けていくというポストだ。

そのようなポストは、主に地方の教育機関となる。

地方の教育機関では、研究業績より教育能力を重視するそうだ。少子化の影響もあって、定員割れに悩まされているため、教育能力の高い人材をほしがっている。

年齢の問題もある。30歳を過ぎると、一般企業での就職が、まずなくなってくる。35を過ぎると、研究職もなくなってくる。

大変に厳しい世界だ。

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研究再開

帰省先より無事帰還。

生活習慣を更生してきたので、7時半には目が覚めた。

いつもだったら考えられない時間(笑)。

9時頃研究室に来たのだが、F君(4年生)がもう勉強に励んでいた。

彼らには院試が迫っている。

頑張ってもらいたい。

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間一髪!

今日で全体のゼミは一段落つくことになった。

御盆に先生が京都に帰省し、夏の学校もあるためである。

僕は来週から1週間ほど帰省することにした。

* * * * *

ということで、来週締め切りの非線形科学のレポートを、エネルギー工学棟まで出しに行く。

6時頃にいったのだが、鍵が閉まっていた。

今日提出しなければアウトだ。どうするか…

裏口から何やら騒ぎ声がする。人がいるのか?裏口にまわると…

むむ、バーベキューの匂いがするぞ!

どうやら、エネルギー工学科の人たちが、夕食会をしていたようだ。その間を素早くすり抜け、塔の中に侵入する。

と、ここで、とても重要なことを思い出した。レポート提出の塔は別塔だったのだ!

その後、別塔の入り口で待機し、人が出てくるのを見計らって中に入った。うーん、あれは一つ間違えると完全な不審者だったな(苦笑)。

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Dispersion Relation(分散関係)

素粒子論の分野に、Dispersion Relation(分散関係)を論じるものがある。

S行列を計算するときに、振幅と呼ばれる物理量を導入すると、それがその振幅の虚数部分を積分したものになるという、不思議な性質が現れる(ここでも複素数が活躍する!)。

この関係をDispersion Relationと呼ぶ。

このDispersion Relation、何が重要かというと、振幅の虚数部分が全散乱断面積に関係していて、その実験結果から、振幅の形が予言できるところにある。

振幅の形が分かれば、それがファインマンダイアグラムを知ることになり、どのような散乱過程が起こったのかを知ることができる!

このような研究は、1960年代にさかんに行われた。それはゲージ理論の一般論が登場する前で、まだ、強い力の基礎理論であるQCDが知られていなかった時代だった。

この時代には、このDispersion Relationが唯一の強い力を解明するための手段だと考えられていた。

このDispersion Relationは非常に解析的である。このような素粒子論を数学的に解析する流れはその後、QCDや弦理論に受け継がれていく。

Dispersion Relationは強力であって、素粒子論に対する有効性は今も昔も変わらない。

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複素空間と現実世界

現代物理にとって、複素空間は非常に重要だ。

素粒子の繰り込み理論では、いたるところに発散が登場する。複素空間を考えるならば、その発散を複素空間のポール(極)と考えることもできる。

複素解析には、発散を含む関数の積分はポールの値で置き換えられるという、強力な留数定理というのがある。

これは非常に重要な概念で、素粒子論では、プロパゲーターなどの考察によく使う。

電気回路や振動子の解法でも、複素数は使われる。しかし、これは単に計算が楽になる、というテクニカルな意味しかない。

複素空間が重要となるのは、量子力学だ。波動関数は複素数である。量子の振る舞いを決定する波動関数が複素数というのは、いったい何を意味するのか?

現実世界の観測量(確率)を求めるだけの、単なる道具なのか?

我々が量子の振る舞いを本質的に予測できないことから、現実世界から離れた複素空間が、量子の現実に住む世界と考えるべきなのか?

複素空間と現実世界とのつながりは、興味深い。

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書談:闘う物理学者!

Fight_01_2 闘う物理学者!

著者:竹内薫

発行:日本実業出版社

定価:1600円(税別)

* * * * *

竹内先生のミニ講義が元になった、物理初学者向けの入門本。

ファインマン、ガリレロ、アインシュタイン、ランダウ、湯川秀樹など、名だたる物理学者たちの素顔、人物像に迫った内容で、物理学者にまつわる数々のエピソードを収録。

物理学の発展に多大な貢献をした、大御所と呼ばれる学者たちの、栄光と苦悩の道のりが鮮明に描かれている。

物理学そのものを学ぶ、というよりは、人物やその人生に重点を置いた内容となっているので、物理初学者の方はもちろん、ある程度知識がある方でも、十分に楽しめる。

難しい物理の知識は一切必要なく、肩肘はらずに、リラックスして読める本である。

* * * * *

個人的なことを言えば、僕はこの本の内容チェックを担当させていただいた。

読者の方を配慮して、曖昧な表現や、補足が必要と思われる箇所などを提案させていただいた。

一見、多めの分量に見えるが、見た目より読みやすく、さらさらっと読める。

今まで物理(理系)に縁のなかった文系の方には、オススメである。

また、理系の方にも、新しい発見、興奮がきっとあるはず(自分がそうだった)。

一度、書店で手にとってみて下さい。

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