« 複素空間と現実世界 | トップページ | 間一髪! »

Dispersion Relation(分散関係)

素粒子論の分野に、Dispersion Relation(分散関係)を論じるものがある。

S行列を計算するときに、振幅と呼ばれる物理量を導入すると、それがその振幅の虚数部分を積分したものになるという、不思議な性質が現れる(ここでも複素数が活躍する!)。

この関係をDispersion Relationと呼ぶ。

このDispersion Relation、何が重要かというと、振幅の虚数部分が全散乱断面積に関係していて、その実験結果から、振幅の形が予言できるところにある。

振幅の形が分かれば、それがファインマンダイアグラムを知ることになり、どのような散乱過程が起こったのかを知ることができる!

このような研究は、1960年代にさかんに行われた。それはゲージ理論の一般論が登場する前で、まだ、強い力の基礎理論であるQCDが知られていなかった時代だった。

この時代には、このDispersion Relationが唯一の強い力を解明するための手段だと考えられていた。

このDispersion Relationは非常に解析的である。このような素粒子論を数学的に解析する流れはその後、QCDや弦理論に受け継がれていく。

Dispersion Relationは強力であって、素粒子論に対する有効性は今も昔も変わらない。

|

« 複素空間と現実世界 | トップページ | 間一髪! »

素粒子」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Dispersion Relation(分散関係):

« 複素空間と現実世界 | トップページ | 間一髪! »