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QED TO SECOND ORDER その3

ここのところ、2次の量子電磁力学の話題を書いているが、いろいろ分かりづらいので、ここで全体をまとめておく。

2次の量子電磁力学(QED)は場を6つ含み、Wickの定理で分解すると、6通りの現象が現れる。

1.Disconnected term

これは分裂したファインマングラフを表し、M行列に対する寄与はゼロである。

2.消滅と交換

光子の場がプロパゲーターとなった場合であり、場の縮約を1つ含む。そのグラフは次のように書ける。

Photo_14

e-は電子で、e+は陽電子を表す。左は電子と陽電子が消滅し、結合して光子になり、また分裂して電子と陽電子になる過程を表している。右は光子は交換するが、電子、陽電子は影響を受けず、散乱する過程である。

これは上のファインマングラフから、ファインマン則を用いて、M行列を計算できる。

3.コンプトン散乱

これは電子と光子の相互作用で、フェルミオン場がプロパゲーターとなる。

4.電子の自己エネルギー

光子とフェルミオンのループを含む過程を表す。

5.真空偏極

これはまだ触れていないが、フェルミオンの場の縮約を2つ含む場合であり、フェルミオンのみのプロパゲーターからなる、ループを含む。これについてはまた後日、書きたいと思っている。

6.Vacuum bubble term

真空泡の効果を表す。これはすべてがプロパゲーターであり、現実の観測量には影響しない。

上の過程のうち、1、3、4、6は以前の日記で解説した。

* * * * *

以上が2次のQEDの効果だが、これだけでも相当豊富な内容を含んでいる。そして、その現象の一つ一つが、高い精度で実証されていることもあり、QEDは非常にエレガントな理論である、と評してもよいだろうと思う。

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