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QED TO SECOND ORDER その2

さらに2次のオーダーの量子電磁力学を見ていこう。

M行列のうち、光子の場の縮約とフェルミオンの場の縮約を含む効果は、地道に場の量子論で計算すると、以下のファインマンダイアグラムで表せることがわかる。

Photo_12

場を縮約すると、プロパゲーターが現れることに注意すると、今は2つの場を縮約したから、プロパゲーターが2種類出てくることになる。

それが上の波線の光子と、下の実線のフェルミオンに対応する。

右の実線が運動量P1を持つ電子、真ん中の波線が運動量Kを持つ光子、真ん中の実線が運動量P2-Kを持つフェルミオン、左の実線が運動量P2を持つ電子である。

真ん中は波線と実線のループになっている。このようなダイアグラム(ループ1個)を1ループダイアグラムと呼ぶ。

同様に、2個、3個とループがある過程も高次では現れる。

この過程はどんな物理現象を表しているか?

やってきた電子が光子とフェルミオンのループ(上の図から)の過程を通り、運動量を変えて電子に戻っている。

…?

これは電子の自己エネルギーの過程と言われ、自己相互作用を表す。1個の電子には、常にこのようなループ過程が存在する。

この過程からどのように有限な物理量を引き出すか?

実は、それは非常に難問である。

一般にツリー(ループを含まない)ダイアグラムでは、プロパゲーターの運動量が運動量保存則で固定できた。

そのことは、積分が運動量のδ関数となり、運動量保存則を満たす点しか、積分の値が残らないことに由来する。

しかし、ループがあると、ループに沿って積分する必要があるため、グルグルと回ってしまい、運動量を固定できない。

固定できないということは、無限まで積分すると、その値は発散してしまう!!

さぁ、困ったゾ!

そこで、待ちにまった朝永先生のおでましである。このような過程を計算するには、繰り込み、という作業をすればよいことを朝永先生は示した。

その業績は精密な実験結果を予測し、ノーベル賞を受賞するに到った。

繰り込みは、現在の素粒子論には、欠かせない概念となっている。

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