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書談:鏡の中の物理学

D1anvdmxmfe431ykq8pucc3z鏡の中の物理学

著者:朝永振一郎

発行:講談社学術文庫

定価:588円

* * * * *

ノーベル物理学賞に輝く朝永先生の、素粒子の世界を中心とした物理学の一般向け解説本。

3章構成からなり、それぞれ独特の観点から、素粒子物理学の奇妙な世界を分かり易く解説している。

1章は物理学における鏡の話で、鏡で物理学を映すとどうなるか、ということについて説明しており、『神様はぎっちょであるか』やバッティングマシンの話など、朝永節も随所に見られ、非常におもしろい。

2章は素粒子の特徴についての説明である。同一粒子を電光掲示板のポチポチに例えるあたりは、直観的にうまい説明であり、思わず唸ってしまう。また、素粒子は非常に小さい粒子なのだが、その点が強調されるように質量やエネルギーなどを、小数点以下まで省略せずに、丁寧に書き出している。

3章は光子の量子力学的振る舞いを見事に説明した、ノンフィクション物語、光子の裁判。被告人である光子の行動が、現場検証から徐々に明らかにされ、量子の本質が物語を通して、描き出される。

最後に明かされる検察官の以外な正体とは?そして光子の運命は?

物理学入門にふさわしい、非常に秀逸な一作。

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