« Mitaka(国立天文台) | トップページ | VACUUM BUBBLE(真空泡) »

電子-陽電子消滅

久しぶりに先生が加わってのゼミ。

いよいよ繰り込み理論に突入だが、フランス帰りのしょっぱなで、いきなり3時間をオーバーする。

先生:「何時や?(時計を見て)もう7時過ぎとるやないか!いつの間に!何時から始めた?」

W君:「4時半です。」

先生:「そうか~全然気づかなかった、ご飯食べに行けへん!!

補足だが、先生行きつけのレストランは、早いことに、7時を過ぎるとメニューが売り切れてしまうそうだ(笑)。

先生:「せっかくやから、この章終わらそう。」

という具合で、何だかんだで4時間ほどのゼミ。しかし、それだけの時間、集中して考えたが、繰り込みの概念をまだしっかり理解できていない。

今日やったのは質量と波動関数の繰り込みだが、それだけでも、混乱する。よく復習しないといけない。

で、明日のゼミは自分の番。まさか前章を1回で終わらせるとは思わなかったので、これより急いで予習に入る(汗)。

* * * * *

電子-陽電子の消滅現象は、クライン-仁科と同じアナロジーで記述できる。

この消滅過程のFeynman diagramは次の形となる。

Photo_9

この図でP1は入射電子の運動量、P2は入射陽電子の運動量、K1、K2は電子と陽電子が消滅して、新たに作られた光子の運動量である。

矢印は粒子の進む向きを表すが、陽電子(反粒子)はFeynman diagramでは実際に進む向きと逆に書く決まりになっている。

この図はクライン-仁科の場合と、非常に似ていることがお分かりいただけるであろう。

だから、求める散乱断面積はクライン-仁科のをちょちょっといじくるだけでよい。

そのプロットを以下に載せる。縦軸は微分断面積で、横軸はターゲットに対する角度に依存するパラメータ(cosθ)である。

    Dcs2_2

この図から、横軸が1に近づくにつれて縦軸が発散することがわかっていただけると思う。

散乱断面積が発散?物理量が発散?

いったいこれはどういうことだろう?

実はこのプロットは高エネルギーの極限をとっているので、電子と陽電子の質量(仮にMとおく)をゼロとしている。だから、1/Mに比例する項があれば発散ということになるが、散乱断面積にはこの項があるため、発散が現れる。

しかし、このグラフの概形で、散乱の様子が大まかだが、わかる。

尚、このあたりの議論はPeskin & Schroederの有名な教科書にも載っている。

* * * * *

用語解説

クライン-仁科…この日記の、クライン-仁科のページを参照。

微分断面積…面積の次元を持つ散乱確率を散乱断面積という。ある特定の角度の周りの、微小立体角への散乱確率を、微分断面積という。

|

« Mitaka(国立天文台) | トップページ | VACUUM BUBBLE(真空泡) »

素粒子」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 電子-陽電子消滅:

« Mitaka(国立天文台) | トップページ | VACUUM BUBBLE(真空泡) »