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2007年7月

QED TO SECOND ORDER その3

ここのところ、2次の量子電磁力学の話題を書いているが、いろいろ分かりづらいので、ここで全体をまとめておく。

2次の量子電磁力学(QED)は場を6つ含み、Wickの定理で分解すると、6通りの現象が現れる。

1.Disconnected term

これは分裂したファインマングラフを表し、M行列に対する寄与はゼロである。

2.消滅と交換

光子の場がプロパゲーターとなった場合であり、場の縮約を1つ含む。そのグラフは次のように書ける。

Photo_14

e-は電子で、e+は陽電子を表す。左は電子と陽電子が消滅し、結合して光子になり、また分裂して電子と陽電子になる過程を表している。右は光子は交換するが、電子、陽電子は影響を受けず、散乱する過程である。

これは上のファインマングラフから、ファインマン則を用いて、M行列を計算できる。

3.コンプトン散乱

これは電子と光子の相互作用で、フェルミオン場がプロパゲーターとなる。

4.電子の自己エネルギー

光子とフェルミオンのループを含む過程を表す。

5.真空偏極

これはまだ触れていないが、フェルミオンの場の縮約を2つ含む場合であり、フェルミオンのみのプロパゲーターからなる、ループを含む。これについてはまた後日、書きたいと思っている。

6.Vacuum bubble term

真空泡の効果を表す。これはすべてがプロパゲーターであり、現実の観測量には影響しない。

上の過程のうち、1、3、4、6は以前の日記で解説した。

* * * * *

以上が2次のQEDの効果だが、これだけでも相当豊富な内容を含んでいる。そして、その現象の一つ一つが、高い精度で実証されていることもあり、QEDは非常にエレガントな理論である、と評してもよいだろうと思う。

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QED TO SECOND ORDER その2

さらに2次のオーダーの量子電磁力学を見ていこう。

M行列のうち、光子の場の縮約とフェルミオンの場の縮約を含む効果は、地道に場の量子論で計算すると、以下のファインマンダイアグラムで表せることがわかる。

Photo_12

場を縮約すると、プロパゲーターが現れることに注意すると、今は2つの場を縮約したから、プロパゲーターが2種類出てくることになる。

それが上の波線の光子と、下の実線のフェルミオンに対応する。

右の実線が運動量P1を持つ電子、真ん中の波線が運動量Kを持つ光子、真ん中の実線が運動量P2-Kを持つフェルミオン、左の実線が運動量P2を持つ電子である。

真ん中は波線と実線のループになっている。このようなダイアグラム(ループ1個)を1ループダイアグラムと呼ぶ。

同様に、2個、3個とループがある過程も高次では現れる。

この過程はどんな物理現象を表しているか?

やってきた電子が光子とフェルミオンのループ(上の図から)の過程を通り、運動量を変えて電子に戻っている。

…?

これは電子の自己エネルギーの過程と言われ、自己相互作用を表す。1個の電子には、常にこのようなループ過程が存在する。

この過程からどのように有限な物理量を引き出すか?

実は、それは非常に難問である。

一般にツリー(ループを含まない)ダイアグラムでは、プロパゲーターの運動量が運動量保存則で固定できた。

そのことは、積分が運動量のδ関数となり、運動量保存則を満たす点しか、積分の値が残らないことに由来する。

しかし、ループがあると、ループに沿って積分する必要があるため、グルグルと回ってしまい、運動量を固定できない。

固定できないということは、無限まで積分すると、その値は発散してしまう!!

さぁ、困ったゾ!

そこで、待ちにまった朝永先生のおでましである。このような過程を計算するには、繰り込み、という作業をすればよいことを朝永先生は示した。

その業績は精密な実験結果を予測し、ノーベル賞を受賞するに到った。

繰り込みは、現在の素粒子論には、欠かせない概念となっている。

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書談:はじめての数式処理ソフト

Maxima_01_1はじめての数式処理ソフト

著者:竹内薫

発行:講談社(ブルーバックス)

価格:1260円

* * * * *

数式処理ソフトの入門書。フリーでダウンロードできるMaximaを用いて、基礎から応用まで幅広く数式処理が学べる。

簡単な数値計算や数式処理から始まり、後半ではツイスター、カラビヤウ図形、ボームの量子ポテンシャルなど、最新の話題を含む、高度な内容も収録している。

ダウンロードからコマンド入力、プログラム作成と、段階を踏んで無理なく数式処理の処理の基礎が学べるので、初心者には最適の入門書だといえる。

8章のボームポテンシャルは少々注意が必要。プログラムの結果が実行され、グラフが描画されるまで時間がかかる。コンピューターの性能にもよるが、一般的なノートパソコンだと10~20分くらいかかるかもしれない。

Mathematicaは個人で買うと非常に高価だが、このソフトは、Mathematicaとほぼ同じ機能を備えながら、フリーであるので、個人的にはお勧め。

さらなる欲を言えば、学生はレポート提出が仕事(?)でもあるので、Maximaで描いた図やプログラムを文章(Ward、TEXなどで作成)に貼り付けたり、イメージとして保存したりする方法を載せておいてもよかったかもしれない。(あくまで学生向けという視点から)

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VACUUM BUBBLE(真空泡)

今日のゼミで、光子のプロパゲーターに関する繰り込みが終了。

終わった後、W君やK先輩と議論。

繰り込みは難しい。どこが難しいかというと、その解釈。やってることは級数展開して、出てきた無限部分を裸の電荷や質量に押し付ける、ということなのだが、どの部分の無限がどの有限値に繰り込まれているかを精確に見極めることが難しい。

* * * * *

真空はからっぽの何もない空間、という概念を多くの人は抱いていると思うが、それは古典論の話であって、量子論(つまりミクロなスケール)ではそうではない。

例えば、次のFeynman diagramを考えてみよう。

2_1

上の線が電子(運動量P)の伝播にあたり、真ん中が光子(運動量k)、下が陽電子(運動量P+k)である。さらにx1とx2は、時空の一点を表す。

矢印が運動の向きであるが、反粒子は逆の矢印で書く。

x1という点で電子、光子、陽電子が生成され、x2という点で消滅している。

これは以前出てきた2次のオーダーのQED(量子電磁力学)で、すべて場を縮約した場合にあたる。

縮約した場は、プロパゲーターになるので、上図のような閉じた形の図形となる。

この現象をVacuum bubble(真空泡)という。

QEDでは自動的にこの過程が現れるので、真空は常にこのような粒子の生成、消滅が起こっているものと理解できる。

しかし、この過程は散乱や崩壊などの結果に影響しない。

なぜなら、物理量を計算するとき、分子と分母にこの寄与が現れるので、約分すると消えてしまうからだ。

他にも4次、6次…と無限のオーダーで出てくるが、それらの効果も全く同じである。

* * * * *

用語解説

プロパゲーター…縮約という操作で、場をつないだ場合に現れる。プロパゲーター(伝播)はグラフの内線として現れるので、実際の観測にかかる現象ではない。プロパゲーター、つまり伝播すると考えられる粒子はすべて仮想的なものである。この仮想粒子は粒子の持つエネルギーと運動量の関係式を満たさない。このような粒子をOff-Shell粒子という。

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電子-陽電子消滅

久しぶりに先生が加わってのゼミ。

いよいよ繰り込み理論に突入だが、フランス帰りのしょっぱなで、いきなり3時間をオーバーする。

先生:「何時や?(時計を見て)もう7時過ぎとるやないか!いつの間に!何時から始めた?」

W君:「4時半です。」

先生:「そうか~全然気づかなかった、ご飯食べに行けへん!!

補足だが、先生行きつけのレストランは、早いことに、7時を過ぎるとメニューが売り切れてしまうそうだ(笑)。

先生:「せっかくやから、この章終わらそう。」

という具合で、何だかんだで4時間ほどのゼミ。しかし、それだけの時間、集中して考えたが、繰り込みの概念をまだしっかり理解できていない。

今日やったのは質量と波動関数の繰り込みだが、それだけでも、混乱する。よく復習しないといけない。

で、明日のゼミは自分の番。まさか前章を1回で終わらせるとは思わなかったので、これより急いで予習に入る(汗)。

* * * * *

電子-陽電子の消滅現象は、クライン-仁科と同じアナロジーで記述できる。

この消滅過程のFeynman diagramは次の形となる。

Photo_9

この図でP1は入射電子の運動量、P2は入射陽電子の運動量、K1、K2は電子と陽電子が消滅して、新たに作られた光子の運動量である。

矢印は粒子の進む向きを表すが、陽電子(反粒子)はFeynman diagramでは実際に進む向きと逆に書く決まりになっている。

この図はクライン-仁科の場合と、非常に似ていることがお分かりいただけるであろう。

だから、求める散乱断面積はクライン-仁科のをちょちょっといじくるだけでよい。

そのプロットを以下に載せる。縦軸は微分断面積で、横軸はターゲットに対する角度に依存するパラメータ(cosθ)である。

    Dcs2_2

この図から、横軸が1に近づくにつれて縦軸が発散することがわかっていただけると思う。

散乱断面積が発散?物理量が発散?

いったいこれはどういうことだろう?

実はこのプロットは高エネルギーの極限をとっているので、電子と陽電子の質量(仮にMとおく)をゼロとしている。だから、1/Mに比例する項があれば発散ということになるが、散乱断面積にはこの項があるため、発散が現れる。

しかし、このグラフの概形で、散乱の様子が大まかだが、わかる。

尚、このあたりの議論はPeskin & Schroederの有名な教科書にも載っている。

* * * * *

用語解説

クライン-仁科…この日記の、クライン-仁科のページを参照。

微分断面積…面積の次元を持つ散乱確率を散乱断面積という。ある特定の角度の周りの、微小立体角への散乱確率を、微分断面積という。

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Mitaka(国立天文台)

先生がフランスより無事帰還。

おみやげ(菓子)をつまみながら、雑談する。

フランスは異様に物価が高いらしい。サラダとちょっとした飲み物だけで、1000円以上はしたとか。

会議場には天井に女性の全裸の壁画があったらしく、集中できない、と隣の研究者と話していたそうだ(笑)。向こうではそういうのがアートなのだそうだ。

災難を目撃した話も聞いた。イギリスから来た実験の研究者が、鞄をパクられてしまったらしい。その鞄に洋服、パソコン、持病の薬と、重要なものばかりを入れていたらしく、大変に困ったそうだ。服だけは現地で買って、なんとか凌いだらしいが、まったく怖いものである。

こういう話を聞くと、いかに日本が安全な国であるか、思い知らされる。あまり慣れすぎてしまわないように、用心しないと…

* * * * *

国立天文台のページからMitakaというソフトをダウンロードしてみた。

ちょっと前にサイエンスZEROで紹介されていたみたいだが、フリーのソフトなので、パソコン(Windows)があれば、誰でも自身のパソコンで宇宙が再現できる。

やってみたが、かなり楽しい。

好きな角度で星をみたり、時間を進ませたり、遅らせたり、とにかく、いろいろできる。

サイトには随時更新情報も載っているし、バージョンも豊富だ。

まだ手に入れてない人は、是非一度、お試しあれ!

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超対称性入門

ここのところ、毎日雨。梅雨入りの頃は、暑くてすぐに夏が来ると思っていたけど…

W君は、『寒い!』といって長袖を着てきた。それでもまだ寒いという。

先生が今日から復帰する予定だったが、こなかった。

フランス遠征で何かあったのかもしれない。それとも、単なる時差ぼけか、疲れか、台風の影響か。

* * * * *

ということでゼミが延期になったので、今日は超対称性の話を少し。

ボソンフェルミオンの間の対称性を超対称性と呼ぶ。

英語ではSuperSymmetryだが、略してSUSYということもある。

これは平たく言えば、ボソンとフェルミオンは互いにスピンを入れ換えたパートナーが存在する、という理論。

例:

electron(電子、スピン=1/2) → selectron(スピン=0)

quark(クォーク、スピン=1/2) → squark(スピン=0)

photon(光子、スピン=1) → photino(スピン=1/2)

gluon(グルーオン、スピン=1) → gluino(スピン=1/2)

といった具合に、フェルミオンならボソン、ボソンならフェルミオンというペアとなる粒子が存在するというのだ。

この超対称性を理論に組み込むと、陽子の寿命が大きくなったり、Higgsボソンの質量を安定化したり、重力を統一できる可能性を示したりと、数々のご利益がある。

しかし、これらのパートナーはまだ観測されていないので、今の実験で到達できるエネルギーより、さらに大きいエネルギー領域に存在する、と仮定しなければならない。

果たして、超対称粒子は存在するのか?

今後のLHC実験の経過に注目。

* * * * *

用語解説

ボソン・フェルミオン…スピンが整数の粒子をボソン、反整数の粒子をフェルミオンという。

Higgsボソン…フェルミオンに質量を与えると考えられるボソン。LHC実験でその観測が期待されている。

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書談:鏡の中の物理学

D1anvdmxmfe431ykq8pucc3z鏡の中の物理学

著者:朝永振一郎

発行:講談社学術文庫

定価:588円

* * * * *

ノーベル物理学賞に輝く朝永先生の、素粒子の世界を中心とした物理学の一般向け解説本。

3章構成からなり、それぞれ独特の観点から、素粒子物理学の奇妙な世界を分かり易く解説している。

1章は物理学における鏡の話で、鏡で物理学を映すとどうなるか、ということについて説明しており、『神様はぎっちょであるか』やバッティングマシンの話など、朝永節も随所に見られ、非常におもしろい。

2章は素粒子の特徴についての説明である。同一粒子を電光掲示板のポチポチに例えるあたりは、直観的にうまい説明であり、思わず唸ってしまう。また、素粒子は非常に小さい粒子なのだが、その点が強調されるように質量やエネルギーなどを、小数点以下まで省略せずに、丁寧に書き出している。

3章は光子の量子力学的振る舞いを見事に説明した、ノンフィクション物語、光子の裁判。被告人である光子の行動が、現場検証から徐々に明らかにされ、量子の本質が物語を通して、描き出される。

最後に明かされる検察官の以外な正体とは?そして光子の運命は?

物理学入門にふさわしい、非常に秀逸な一作。

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QED TO SECOND ORDER その1

Wickの定理をQED計算に応用すると、何がわかるか?

2次のオーダーでは場が6つ出てくる。その縮約は全部で6通りあるが、まずは縮約なしの場合を考えてみる。

そのまま場の量子論で計算すると、運動量保存を満たすδ関数が2個出てくることがわかる。

そのFeynman diagramは次の形である。

          Disconnected_12

上の図は上下に完全に分離している。つまり、それぞれ独立に電子の崩壊が起こることを意味する。

P1の運動量を持った電子が光子を放出し、P2の運動量を持つ別の電子に変化する。同じく、P3の運動量を持った電子が光子を放出し、P4の運動量を持つ別の電子に変化する。

このような過程は起こらない。なぜならば、電子が光子を放出して別の電子に崩壊することはできないからだ。

それを許すと、瞬く間にすべての電子が光子に崩壊して、この世界が潰れてしまう!

よって、この過程のS行列に対する寄与はゼロである。

上図は、上下の分離形なので、その寄与をdisconnected termと呼ぶ。

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企業と環境保護

今日はTAの日。この授業も残すところあと2回。

個人的には非常によい授業だったと思う。様々な企業の方から直接、話を聞けるなんて、めったにないことだ。

去年学科長だったT先生は、「学部生にはもったいない。」 といっていた。

隠れてコネをつくっていた学生もいたみたいだし(笑)。

今日の講師の先生は、日立生産技術研究所・企画室長のO氏。

僕は環境問題の話が印象に残った。

環境への配慮を考えるとき、生産・販売などの動脈側だけでなく、さらに、回収・再利用といった静脈側への循環が必要だ。

そこで日立は温暖化防止ファクター、資源ファクターといった数字の目安を設けて、これを評価している(詳しくは日立のページを御覧下さい)。

しかし、数字だけでなく、実践して環境対策を進めることが何より大事であろう。

愛知万博ではICチップ入りの入場券が採用されたが、あれで普通の切り取り式の入場券に比べて30㌧もの資源が削減できたそうだ。

僕も個人でできることは、なるべくやっていきたいと思う。

授業後、T先生がO氏にうちの学科の宣伝をしていた。日立への就職は、今期がチャンスかもしれない(笑)。

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Wickの定理

場の理論ゼミが進まない(汗)。他のことをしていたら、すぐに時間がなくなってしまう。

気がついたらこんな時間。

もっと効率よく時間を使わねば…

先生が出張に出かけて以来、自主ゼミ形式で場の理論をやっているが、読み合わせが週1になってしまった。

W君は繰り込みの導入とループダイアグラムの章を読み終えているので、先に進みたくてうずうずしている様子。

* * * * *

3、4日前のゼミでWickの定理の証明をした。

Wickの定理とは、複数の場の積を、それらの縮約で分解することができる、ということ。

専門以外の人には意味不明だが、要するに膨大な積を分解して考えることができるということだ。

それぞれ分解された場の積は、物理的描像をそれぞれ持っているわけで、膨大な場の積を簡潔な物理に結びつける、という意味で、この定理は非常に重要だ。

この定理は、ノーマルオーダー積についてと、タイムオーダー積についての2種類がある。

* * * * *

用語解説

縮約…場の積の真空期待値。場の積を真空の状態ではさんだもの。

タイムオーダー積…時間T1とT2に対応した場の積。θ関数というのを使うと場A(T1)とB(T2)の積は

AB=A(T1)B(T2)θ(T1-T2)+B(T2)A(T1)θ(T2-T1)

となる。ここでθ関数とはθ(T1-T2)なら、T1-T2>0のとき1で、T1-T2<0のとき0となる関数である。

ノーマルオーダー積…真空に作用させたとき、必ず全体が0となる場の積。

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Gauge(ゲージ)不変性

波動関数は一般には複素数であるため、シュレーディンガー方程式は位相変換のもとで不変である。

つまり、確率を導く過程において重要なのは、絶対値であるために、その回転角はいくらでもよい、というわけだ。

では、相対論的方程式の場合、これはどうなるか?

もちろん、位相変換は可能である。そこで思い切って、回転角も座標に依存するように拡張してみる。

例えばQEDの場合は、シュレーディンガー方程式のように単純でなく、方程式は不変でない。

そこで、場を位相変換に対して不変になるように変換を行う。

そうすると、方程式は不変になる。

この位相変換と場の変換をゲージ変換と呼び、方程式が不変となることを理論のゲージ不変性という。

このゲージ不変性は理論を構築するのに強力な指針となる。

QEDの場合、電磁場に質量項を加えることもできるが、その場合はゲージ不変とならない。

つまり、電磁場はMassless(光子)でなければならない。

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はしか情報

前に、はしか抗体検査の話を書きましたが、僕の得た情報をここにアップしておきます。

僕の行った病院は市民病院で、予防注射のワクチンが限られているようだったので、まず検査をすることになりました。検査は電話での予約制です。

検査は血液検査でした。血液を採取して、後は結果待ち。この検査ではしか、おたふく風邪、風疹の抗体検査ができるそうです。医師の方に尋ねてみて下さい。

1週間ほどで結果発表。これで陰性になった人には注射をします。僕は陽性だったので、そのまま帰宅となりました。

診察料ですが、僕が行ったのは市民病院で、非紹介料を1600円ほど払いました。あとは診療料と検査費用で、すべて合わせて5000円くらいでした。この料金は保険適用料金です。

注射料金は、僕はしてないので詳しくは分かりませんが、7000円~9000円くらいだと思います。これは保険がききません。

僕のは一例なので、地域や病院によって違いがあるかもしれません。あくまで参考程度です。

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コンピューターと素粒子物理

朝一の授業だった、I先生の非線形科学が休講になる。

小走りで講義室に着いたI先生の院生が一言―。

「先生が寝坊したみたいなので、休講になります。」

!?

* * * * *

自身のパソコンに Microsoft Virtual C++ をインストールする。

これで大体のコンピューター作業は1台でできるようになった。

レポートや論文を作成する手順としては

1.Mathematica、C++で数値計算

2.gnuplot、その他の描画ソフトでグラフ出力

3.Illustratorで作図

4.Win Shell、TEXで文章打ち

といった流れになる。

しかし、一つのパソコンですべてできるようになったはいいが、メモリが…

Mathematicaでの膨大な数値計算は多少苦しいかもしれない。

* * * * *

コンピューターの進歩は著しい。

IT業界は依然として沸き立っており、未だとどまる気配はない。

この産業革命以来の“革命”を引き起こしたものは何か―。

それは紛れもなく、物理学である。

コンピューターの部品である、半導体、トランジスタ、電気回路等々は物理学から生まれた技術である。

物理学を究めることが、新たなコンピューター技術を生み出す、といっても過言ではないかもしれない。

素粒子物理は産業や実社会に役立つのか?

これはしばしば素粒子屋に向けられる、業界外の人たちからの質問である。

WWWという仕組みはネットを使う人なら誰でも知っているだろう。

あれを発明したのは、実はヨーロッパのCERN(欧州原子核研究機構)の素粒子・原子核屋である。

膨大な実験データを処理・管理するために発明したそうだが、今や世界中で利用されている。

またMathematicaという数式処理ソフトも素粒子の研究者が開発した。

数式処理ソフトは物理屋はもちろんのこと、経済学や企業などでも、利用されている。

このように、必ずしも素粒子物理が、産業や実社会と無縁だとはいえない。

新たな実験や理論的検証を通して、思わぬ技術が生まれることもありうるのだ。

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量子井戸レーザー

量子力学の工学的応用は、ここ50年ほどの間に数多くなされた。

工学、理学、あるいは教養課程でも量子力学を習ったことのある人の大部分は、一度は井戸型ポテンシャルの問題を解いたことがあるだろう。

量子井戸レーザーというのは、それを利用した発振原理を持っている。

階段型の量子井戸を向かい合わせるように縦に並べる。

量子力学によれば、この量子井戸はとびとびの準位を持つ。なので、ある条件を満たせば、上の井戸から下の井戸への遷移が起こる。

フェルミエネルギーギャップよりも大きくなくてはいけない、という条件を満たせばよいのだが、この条件は、ベルナール-デュラフールの条件と呼ばれている。

遷移が起これば、光を放出するので、それを増幅させればレーザーとなる。

単純だが、これが量子井戸レーザーの発振原理だ。

レーザー自体は自然界に存在する物質でも当然発振できるわけで、ヘリウム・ネオンレーザーなどが有名である。

違いは、利用する準位が自然の原子のものか、半導体で造った量子井戸のものか、ということだけである。

量子井戸は少ないキャリア注入で、効率よくフェルミエネルギーを押し上げることができるので、ベルナール-デュラフールの条件を満たしやすい。

この量子井戸レーザーは様々な用途(主に工業)に利用されている。

* * * * *

用語解説

井戸型ポテンシャル…井戸型の形をしたポテンシャル。量子をこの中に放り込んで、シュレーディンガー方程式を解くと、離散したエネルギー準位が現れる。古典的にはエネルギーはどんな値でもとれるが、量子系では、とれる値が限られる。これは量子効果の一例である。

フェルミエネルギー…フェルミ粒子(半整数スピンを持つ)の化学ポテンシャルのこと。直感的には、個々の粒子が持つ固有のエネルギー。

ギャップ…ここでは上の井戸と下の井戸とのエネルギー差。

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学会(出張)週間!?

蒸し暑い一日。TAのため講義塔に向かうが、重いプロジェクターやコード類を持ち歩いたため、着く頃にはもうへとへと。

講師の先生は引き続き住友重機械のS氏。

今回はお話は聞けなかったが、普段あまり聞かない冷凍機の講義をたっぷりしてもらった。

この講義もあと2回。次回は日立の方がこられる予定。

* * * * *

学内の先生が皆出張で出払っている。プラズマのI先生はスペイン、宇宙線のS先生はイタリア、うちの師匠はフランス。

素粒子界ではスペインでストリングの大きな学会が開かれている模様。

この時期、学会って本当に多いよな~。

うちの師匠は現象論だから、あまり関係はないだろうけど、スペインと近いこともあり、顔を出すことはあるかもしれない。

先生が渡仏後、場の理論ゼミが停滞気味に…繰り込み理論とループダイヤグラムは先生がいないと厳しいかもしれない。

W君はその章を読み終えたみたいだが、「わからん!」といっていた。

みたところ、かなりやっかいそうだ。

明日から自主ゼミ形式で再開するが、できるところまで読んでいきたい。

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