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実在論と実証論

科学にはその解釈の問題が常に付きまとう。

例えば、クーロン力などは近接作用なのか、遠隔作用なのか、電磁気学の創設当時は議論ははっきりしていなかった(現在では近接作用であるというのが定説)。

これはその当時の人々からすれば、どちらの解釈でもよかったのだろう。つまり、遠くのものに空間を隔てて直接力を伝えると考えても、何かが空間を伝わって、その何かが力を伝えると考えても、どちらでも物理現象は数値の面ではうまく記述できた。

しかし、現代は違う。もし、電磁気力が遠くの物に直接働くと考えると、電磁波の存在が否定されてしまう。つまり、何か空間を伝わる物理量があると考えないと我々が使う携帯は何の原理で話ができるのか、説明できない。

その一方、電磁場を導入すれば、すべての電磁気現象を記述できる。このことは、電磁場を介して力が伝わるとする近接作用が正しいのではないか、と思わせるには十分だ。実在論からも実証論からも、それは存在するものとして認知されている。

では、その電磁場とは何なのか?我々はそれが眼に見えてどんな構造をしているかわかるのか?

答えはノーだ。

僕らは知らず知らずのうちに実証論の一端で現象を片付けてしまっているのかもしれない。僕らが街を歩いていて、飛んでる電磁波に気にも留めなければ、そんなの存在しない!という主張さえ、可能なのかもしれないのだ。

では平行宇宙はどうだろう?それは実在しているのか?我々はそれに気がつかないだけなのか?または、実証論でその存在は説明できるのか?

こう考えられる。平行宇宙(Dブレーン)は存在している(実在している)が、我々はそれを電磁場のように検出する技術を持ち合わせていない。だから、今はまだ、観測にかからないだけだ。

また、実在はしていない。我々はそれを認識できないし、実証もできない。

という説も現時点では最もらしい。だが、もっと未来の世界ではわからない。そして未来が永遠に続くなら、永久に是非の判定は不可能となる。

堂々巡りだ。

実在論と実証論、そして哲学。これらが示すのは、いかに人間の思考が能率悪いか、ということだけなのかもしれない。

* * * * *

用語解説

クーロン力…電気の力

実在論…観測にかからなくとも、そこに単独で存在するものがある!という考え方。

実証論…何かで実証(検出)されないと、その存在は認めない!という考え方。

Dブレーン…高次元空間の膜。

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