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π中間子相互作用~アイソスピン~

原子核の内部ではどのような相互作用が働いているのか?かつてそれを疑問に思った湯川博士は中間子論と呼ばれる独自の理論を展開して、世界を席捲した。

中間子論とは核子間に働く相互作用をπ中間子の媒介によって生じるとする理論である。

実験によると中性子と中間子、陽子と中間子の相互作用が同じカップリング定数で記述できることがわかっているが、それは何を意味するのだろう?

対称性の話を以前にしたが、カップリング定数が同じであるということはそこに何らかの対称性が隠れているということである。それは今の場合、アイソスピン対称性と呼ばれている。

アイソスピン空間という抽象的な空間を導入することで、陽子-中間子、中性子-中間子の相互作用を統一的に記述できる。

つまり陽子-中間子相互作用のカップリング定数をA、中性子-中間子相互作用のカップリング定数をBとすると、アイソスピン空間を導入することで

A=B

が導かれるのだ!これは同じ力が働くことを意味し、中性子と陽子が極めて似た性質を持つ、いわば双子の兄弟(ザ・たっち)のような関係であることを意味する。

アイソスピンとは抽象的な概念だが、驚くべき自然の一端を我々に教えてくれる。

* * * * *

用語解説

カップリング定数…相互作用の大きさを決定する定数。

アイソスピン…抽象的な数学的概念。スピンと同じ群論に従うことからその名がついた。

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