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書談:サイエンス夜話

竹内薫、原田章夫共著(ソフトバンク・クリエイティブ出版)による一般科学書:

『サイエンス夜話 不思議な科学の世界を語り明かす』

が発売された。科学書とはいっても非常に噛み砕いた内容で、数多くの不思議な科学現象を丁寧に対話形式で解説している。途中途中で理解を助ける絵図も挿入されており、非常にわかり易い。科学の入門書としてはかなりお勧めの一冊である。

微力ながら、科学的事実のチェックは僕が担当させていただいた。理論的に書きすぎだと思われる部分や注意書きが必要と思われる所など、読者の方を考えていくつか訂正を提案させていただいた。

内容は申し分ないものなので(288ページとボリュームも十分!)、是非是非、御覧になっていただきたいと思う。

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今日はほぼ一日、S行列の計算。やはり先日予想した通り、フェルミ系では破壊的な計算量となってしまった。大体、場の量子論から直接S行列を計算するなんて、ナンセンスなんだよな~。後でファインマンダイアグラムで計算する時にどれだけ楽になるかを比較するため、らしいが、とにかく大変。クロネッカーのδが64個も出てきた。もう笑うしかない。

昔、ファインマンは自身が開発したダイアグラムで他の研究者が半年かかった計算を一晩で片付けてしまったそうだ。彼のダイアグラムは時間順序積が自動的に組み込まれていて、それらを一つの図で表してしまう。時間順序積は考える時間の数が多くなるほど、たくさん出てくるので、数えるのが大変だ。それが彼の計算法なら一発で片付いてしまう。なんてエレガントな計算法だ。

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用語解説

S行列…散乱過程における相互作用を表す物理的な量。これが求まれば、粒子の崩壊率や散乱確率など、様々な物理量が計算できる。

ファインマンダイアグラム…散乱や崩壊、粒子同士の相互作用を図形で表したもの。その形(図形の頂点や線)に物理量を割り当てることにより、図形のパターンから容易に上記のS行列が求められる。

クロネッカーのδ…1か0を表す記号。δij などと書く。i=jなら1でi≠jなら0である。

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